多額のお金を融資し続けられる…、サラ金の経営のからくりとは

銀行のように預金者もいないのに、なぜサラ金会社はあんなに融資を続けていられるのでしょうか。考え出すと、少し気になりますね。確かに2006年に施工された過払い金の返済や、2010年の総量規制により利息のグレーゾーンが撤廃され、利益があまり得られなくなり、経営が苦しくなった業者もいます。しかし、テレビのコマーシャルなどでよく見かける大手の消費者金融は、いわゆる旧財閥系の大手銀行の系列会社に納まったので、資本がかなりしっかりしていると言えます。銀行はと言えば、不良債権は消費者金融へ渡し、自行ではあまり得意ではない、法律ぎりぎりの債務の取り立てをサラ金業者に任せ、消費者金融側は、先にも述べたように安全な資本がバックに付いているというワケです。持ちつ持たれつの関係でしょうか。

サラ金と聞くと、利用者のほとんどが借金苦に陥り逃げ回っていることを想像しますが、実際は利用者の半分以上は、滞納せず返済しています。つまり高い利息にもかかわらず、しっかりと回収できています。ですから滞納者から、手間をかけて借金を回収するよりは、利用者を増やすことに力を入れた方が、どちらかというと利益が上がります。バックには大手銀行がついているのですから、貸付資金の心配はいりません。そして回収できなかった分は、債権として計上してしまえば、資本金が減る必要はなくなります。ギャラの高そうなタレントを起用して、テレビコマーシャルに力を入れたり、アルバイトを何人も雇い、駅前でせっせとティッシュを配るのも、全て高金利の借入金を真面目に返済してくれる利用者を増やすためです。

しかし「踏み倒しても、無理な回収はされないから安心」などとは思わない方が無難です。一つは、いくら大手銀行がバックにいても、過払い金の払い戻しで消費者金融もダメージを受けているということ、もう一つは、不況で滞納者も増えつつあるので、以前なら見逃されていた債権も、いつ回収する方針に変更するかは判らないからです。

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