銀行系列の消費者金融、銀行のローンと、どこが違う?

大手の消費者金融は、銀行と業務提携しており、消費者金融側は銀行から運営資金を低金利で調達し、銀行側は、カードローンなどの商品の保証会社に、消費者金融を使っています。銀行はこれらローン商品に対してはノウハウがないので、消費者金融に審査や運営を任せているわけです。ですから同じ融資でも、店内のローカウンターで、融資担当者と顔を付き合わせて組む融資に比べ、カードローンの審査はかなり甘くなります。かなり前の話ですが、社員5-6人の出版社に勤めていた頃、会社にやって来た某銀行の営業係にカードローンを勧誘され、「借金はしたくないので、カードもつくりたくないです」と答えると「でしたら申し込みだけして、カードができたらハサミを入れてください」と思わぬ回答が…。この時点で根負けして申込書に記入しました(実際にカードにハサミを入れてしまうと、解約の時“カード破損届け”を出さねばならず面倒です)。社長も近くにおり、私の在籍や給与が安定していたことが証明されているわけですから、安月給にもかかわらず審査は簡単に通りました。

話は横道にそれましたが、銀行のカードローンと消費者金融のカードローン、同じものに見えてしまいますね。しかし名称が違うように、中身もだいぶ違います。

まず銀行のカードローン(以下、カードローン)は、通常の融資よりは審査が甘いとはいえ、仮にも銀行の商品ですから審査に時間がかかります。それに比べ消費者金融(以下、サラ金カード)は、その場でカードが発行され、融資開始までの時間は短い場合は30分たらずです。また返済もコンビニのATMを利用でき、時間外手数料もかかりません。

次に利息ですが、カードローンとサラ金カードでは、計算方法が根本的に違います。カードローンは、“元利金返済”または“元加方式”で計算されます。借入元金の残高に対して、その都度利息を計算するので、返済を続けると元金も減ります。一方サラ金カードは、“リボルビング返済”で計算されます。借入当初の金額に対して利息がかかるので、毎月決まった返済額(元金+利息)の内、利息部分がしめる割合が大きくなります。

融資限度額に関しては、銀行は“銀行法”、消費者金融は“貸金業規制法”と、異なる法律の規制を受けているため、自ずと違ってきます。サラ金カードの限度額が収入の3分の1に対して、カードローンは制限(融資限度額はあります、念のため)がありません。

ちなみに同じ銀行のローンでも、カードローンとクレジットカードなどに付いているキャッシングも、中身は異なります。キャッシングの返済は、翌月に一括で利息20%に対して、カードローンは分割返済が可能で利息も10%となります。

利便性を取るか、楽な返済を取るか…、どちらを選ぶかは、使う人次第ですね。

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